プレマーケティングから工場稼働に移行する際の留意点

海外事業の教科書

プレマーケティングを開始して時間が経ち、サンプルを配布しながら顧客候補と品質を擦り合わせ、工場稼働後の主力商品となりうる製品のモデルも出来上がり、コンテナ単位でその輸入が始まり、顧客開拓に応じて数量が少しずつ増えてきている。一方で、工場完成が近づいてきているが、稼働後(現地生産開始後)の想定数量を捌けるほどの顧客基盤は構築できていない。そういう状況を想定してみましょう。

プレマーケティングの結果に一喜一憂しない

上記のような状況ですと、本社からのプレッシャーもあり、焦りや不安を感じるかもしれません。しかしながら、まだ本番前のテスト販売なわけですから、どんと構えていきましょう。オープン戦で結果が出ていなくても、ペナントレースで結果を出せばよいのですから。

プレマーケティングのコア顧客が工場稼働後のコア顧客になるとは限らない

どんと構えておいた方が良いと考える理由は他にもあります。プレマーケティングを通じて、足繫く通いようやくの思いで口座開設した新規顧客ですが、その顧客が新設工場稼働後、主要顧客になってくれる保証はないからです

こちらは長期的関係を望んでいても、先行者利益狙いで、目新しい時期だけ取り扱う業者も中にはいます。

一方、プレマーケティング期間は重い腰を上げてくれなかったターゲット先が、工場稼働後、一気に買い付けてくれるといったことも起こります。本国製造のプレマーケティング品を買っても、事前発注の手間や数量に限りがあるため、規模の大きい会社ほど、その商品を気に入ってくれていても、本格稼働まであえて待っているということが起こり得るのです。

ですから、プレマーケティングの期間中は、数量的な実績に固執するのではなく、ターゲット先がサンプル品にどれだけ満足頂けるか、そして人的関係性を工場稼働までにどれだけ構築できるかにフォーカスした方が良いのです。ターゲット先も、新設会社のポテンシャルをじっくりと見極めているのです。

工場稼働時のオープニングセレモニーは盛大に行いましょう。そして、顧客やステークホルダーをできる限り招待し、工場の中もくまなく見学してもらいましょう。そういったきめ細かい対応が、稼働後の拡販に効いてきます。

まとめ

  • プレマーケティングの結果に一喜一憂しない。あくまでオープン戦であり、ペナントレースはアナザー・ストーリー。
  • プレマーケティングの期間中は、数量実績に固執せず、顧客関係性の構築にフォーカスする。
  • 工場のオープニングセレモニーは顧客を招待し盛大に行う。
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