合弁事業の要となる合弁契約書についてお話します。合弁契約書とは、複数の出資者が合同で事業を行う際に締結される契約書です。
合弁契約書で必要な条項
合弁契約書では、事業の目的、出資金、出資比率、機関設計・役員構成、出資者の権利(経営権等)、役割分担(事業に提供する機能や派遣人材等)、責任(保証・補償)、競業避止義務、株式譲渡制限などを織り込みます。そして、これらが現地の法律(会社法等)と適合していて、かつ、設立される会社の定款と同期させる必要があります。
また、出資比率に差がないことにより株主間の意見の相違が生じ膠着状態に陥った時の規定(デッドロック条項)やエグジットに関する条項(合弁解消事由等)を定めることも極めて大事になります。合弁契約書の締結を結婚に例えるなら、その時点で、離婚の方法を明確に定めておくということです。
事業の撤退方法(エグジット)を明確にしておく
事業の撤退は、事業の開始以上に判断や手続きが難しく、往々にして修羅場となります。その際に、エグジットの取り決め(出口戦略)を明確にしておかないと、スムーズな撤退が困難になり、膨大な時間が失われるだけでなく、追加損失や法的リスクが高まります。
事業を始める前から撤退の話を合弁相手と詰めることは、気が引けるかもしれませんが、専門家の力を借りながら従前にリスクを低減するための努力を惜しんではなりません。
上記については、合弁契約の一部について言及したものであり、契約締結プロセスは複雑かつ難易度が高いため、法律の専門家に相談ながら慎重に進めましょう。
まとめ
- 合弁契約書は事業の要。その後の趨勢を左右しかねない契約になるので専門家の力を借りながら、事業パートナー双方が納得がいくまで議論を尽くすこと。
- 事業の撤退方法(エグジット)を明記し、従前にリスクの低減を図ること。