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新規事業の開発手法(2)~ リーンスタートアップ ~

今回は新規事業のもう一つのアプローチであるリーンスタートアップについてお話します。

グリーンフィールド

当ブログでは、新規事業に関する話を進める中で、M&Aのような既存事業の買収ではなくゼロから立ち上げる新規事業について深掘りしてきました。

ゼロから事業を立ち上げることを、原っぱで施設を建設して事業を立ち上げるイメージで、「グリーンフィールド」と呼ぶことがあります。(主に海外にて)事業性調査を行い、事業パートナーを見つけ、合弁で工場を建設し、ゼロから顧客開拓していく事業がこれにあたり、当ブログで深掘りしていくメインテーマです。

リーンスタートアップ

一方、「それだけが新規事業のアプローチだったっけ?」という違和感を持つ方もいるのではないでしょうか?

その通り、上述のグリーンフィールドは、ある程度資本力がある企業が主に実施する手法であり、最近ではむしろ、「リーンスタートアップ」と呼ばれる資金力の多寡に左右されにくい新規事業開発手法に脚光が集まっているように思います。スタートアップが事業を立ち上げるための手法です。

リーンスタートアップとは、ソリューションありきではなく課題の質を磨き上げ、必要最小限の機能に絞った製品やサービス(MVP:Minimum Viable Product)で市場参入し、反応を見ながら修正を加えていきアジャイル方式、市場浸透を果たす(PMF:Product Market Fit)手法です。

グリーンフィールの合弁事業のように、綿密に事業性調査を行い、事業パートナーと合弁契約書を締結し、会社設立、工場建設(製造業の場合)、顧客開拓・テストマーケテイング、工場稼働、販売開始といったウォーターフォール的な(ある意味不可逆的な)アプローチとは一線を画す手法がリーンスタートアップです。

どちらの新規事業開発手法がよいのか?

2つの新規事業開発手法について言及しましたが、どちらが正しいというのはありませんある程度市場性が見えているなら前者、市場自体を創出していく前提ならばリーンスタートアップが望ましいと考えます。

また、一般論として、グリーンフィールドによる合弁は、資金力を要する企業どうしが、規模感を訴求して、早い段階から計画的に資金を投入していきます。

一方、リーンスタートアップ的なアプローチは、多くの大企業がその導入を試みていますが、自社リソースだけでスケールさせることが難しく、成功確度が高いとは言い難いでしょう。それゆえ、成功確度が上がってきたスタートアップに大企業が投資をするオープンイノベーションの手法が取られるケースが多いようです。しかしながら、オープンイノベーションをもってしても、大企業の既存事業とのシナジーを創り出すことは、文化的な違いや既存事業のこれまでのやり方を優先してしまう等の理由で、容易ではないでしょう。

当ブログではグリーンフィールドの合弁事業について深掘りしていきますが、いずれかのタイミングにてリーンスタートアップについても詳しくお話していければと思います。

まとめ

  • ゼロから事業を立ち上げる主な新規事業開発手法は、グリーンフィールドとリーンスタートアップがある。
  • リーンスタートアップは必要最小限の製品・サービスで修正を加えながら市場浸透を果たす手法。
  • 市場性が見えているならグリーンフィールド、市場そのものを創出するならリーンスタートアップが望ましい。

この記事を書いた人

中小企業診断士/みなと中小企業診断士事務所 代表(東京都港区)

1994年に総合商社へ入社し、食料分野で30年以上。貿易実務から海外事業経営まで、事業の数字に向き合い続けてきました。駐在はベトナム・メキシコ・アメリカ。ベトナムでは合弁事業会社の副社長として、会社設立から黒字化までを指揮しました。

2013年に中小企業診断士に登録。経営理論とAIの実装を、一人の専門家のなかで往復させる伴走支援を行っています。立派な資料の納品ではなく、現場で回る仕組みを残すことを大切にしています。東京都港区を拠点に、中小企業の経営者と後継者の事業伴走に取り組んでいます。

著書『商社マンの「実録」海外経営ノート』