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事業パートナーをどうやって探すのか?(1)


前回はFS(事業性調査)についてお話しました。調査を終え、その新規事業は単独(独資)で行うのか、それとも、事業パートナーを見つけ合弁(Joint Venture)で行うのかという判断をしていきます。合弁の場合、その事業パートナーをどうやって見つけるのかというのは、とても奥深い話なので、今回はそれを深掘りしていきます。

なぜ事業パートナーが必要か

事業パートナーの選定は、待てば降って来るものではなく、能動的に動いたとしても、何年もかかってしまう可能性があります。そういった観点で、新規事業は独資で(自力で)行うべきという考え方もあって然るべきだと思います。

但し、誰にも頼らず自力でできるのであれば、既存領域で既存製品・サービスにadd-onしながら事業を広げてきているはずです。必ずしも自社のコアコンピタンス(中核能力)だけで成し遂げることが難しいのだから、それを新規事業と言うのだ、という見方もできると思います。

どうやって事業パートナーを見つけるのか?


では、どうやって事業パートナーを見つけるのか?
まずは、自社の周辺に、即ち、取引先といったステークホルダーの中に、自社の弱みを補強してくれてお互いの強みで化学反応を起こせるような企業がないか探索しましょう。その上で、これだという先があれば、コンタクトをとってこちらの意図を伝えましょう。

但し、前のめりはよくありません。あくまで相手側にとって自社と組むことのメリットを丁寧に説明することが大事です。相手先が、現状のビジネスに行き詰っていたり、成長領域に参入したいという意思があれば、そのニーズが自社と組むことによって、満たされる可能性があることを、自社の強みと相手方の強みの掛け合わせで勝負できるという感じで具体的に説明していきましょう。

また、既知のステークホルダーを対象とするので、熟考ぜずに話を持ち掛けてしまい、不必要な波風を立たせることは得策ではないので、慎重に取り進めましょう。

信頼関係なくして合弁事業は成立せず


加えてもう1つ大事なことは、信頼関係です。これは自社にとっても、相手方にとって極めて大事なことです。なぜなら、想定している新規ビジネスが合弁事業だからです。

次回以降のブログで詳述しますが、合弁事業には合弁契約書(Joint Venture Agreement)というフォーマルな契約書が必要で、双方の役割、権利関係、責任範囲等を決める必要があります。

信頼関係なしに、このような契約書の調印はすべきではありませんし、一度締結すると、よほどのことがない限り、永続的に持続させること(ゴーイングコンサーン)を前提に事業を推進することになるからです。


言わば、企業どうしの“結婚”といっても過言ではありません。ですから、相手を認め合い、信頼し合うことができるかが極めて重要ということになります。

普段から意識してアンテナを張っていく


自社のステークホルダーの中にそういった相手先がいないか、普段から意識してアンテナを張っていきましょう。言わずもがなですが、その相手先に、信頼できる人(キーマン)がいること、普段の仕事の繋がりで作っておくことが大事です。自分も相手方からそう思ってもらえる努力、普段からの貢献が必要です。(私的な意味ではない会社対会社の中での)個人と個人の関係性が新規ビジネスを作る上で必須なことは古今東西変わらないことだと思います。


次回は、自社のステークホルダーに事業パートナー候補がいない場合、どのようにして見つけたらよいかについてお話します。

まとめ

  • 事業パートナーを見つけるには、まずは、自社のステークホルダーの中に、自社の弱みを補強し、かつ、お互いの強みで化学反応を起こせるような候補がいないか探索。
  • 信頼なくして合弁事業は成立せず。事業パートナー候補と信頼し合い、認め合うことができるか。
  • 普段から意識して事業パートナー構築に向けた人脈を積み上げていく。

この記事を書いた人

中小企業診断士/みなと中小企業診断士事務所 代表(東京都港区)

1994年に総合商社へ入社し、食料分野で30年以上。貿易実務から海外事業経営まで、事業の数字に向き合い続けてきました。駐在はベトナム・メキシコ・アメリカ。ベトナムでは合弁事業会社の副社長として、会社設立から黒字化までを指揮しました。

2013年に中小企業診断士に登録。経営理論とAIの実装を、一人の専門家のなかで往復させる伴走支援を行っています。立派な資料の納品ではなく、現場で回る仕組みを残すことを大切にしています。東京都港区を拠点に、中小企業の経営者と後継者の事業伴走に取り組んでいます。

著書『商社マンの「実録」海外経営ノート』