■ 自社のホームページを、自分の手で作り直した
みなと中小企業診断士事務所ののホームページは、本日、すっかり姿を変えました。実は、この刷新を担ったのは、外部のWeb制作会社ではありません。私自身が、生成AIのコーディング環境「Claude Code」を相棒に、手元のパソコンで作り直したものです。
なぜ、わざわざこんな話をするのか。それは、この数日間の出来事が、私が普段お客様にお伝えしている「経営とAIの付き合い方」を、そっくりそのまま体験させてくれたからです。
■ ずっと、気に入っていなかった
正直に申し上げます。以前のサイトには、ぬぐえない「手作り感」が残っていました。お知らせがいきなりトップに並び、肝心の「何をしている診断士事務所なのか」が伝わってこない。直したいところは山ほどありました。
けれど、本格的に作り直すとなれば、専門の会社に頼んで数十万円。その後も、保守の費用がかかると聞きます。費用以上に気が重かったのは、「一度きれいに作っても、また直したくなったら、そのたびに人に頼まなければならない」という構図そのものでした。自社のことなのに、自分の手から離れていく。その感覚が、どうにも好きになれなかったのです。
■ 「この土台のまま、変えられるのか」という不安
もうひとつ、踏み出せない理由がありました。土台の問題です。
弊所のサイトは、WordPressという仕組みの上で動いています。世界中で長く使われてきた、信頼できる土台です。ただ、これはもともと、AIで自在にデザインや構成を作り変えることを前提に生まれたものではありません。決まったテーマ(雛形)の中で整えていくのが基本で、「枠の外まで自由に刷新する」となると、専門知識が要る世界だと、私は思い込んでいました。
ですから、ずっとこう感じていたのです。「AIが便利なのは分かる。でも、この出来上がった仕組みのまま、見た目や構成を思いきって変えるなんて、本当にできるのだろうか」と。同じように、WordPressを使ってはいるものの、「正直、扱いづらい」「直したいのに手が出せない」と感じておられる方は、決して少なくないはずです。
■ 私がやったのは、コードを書くことではなかった
転機は、Claude Codeとの取り組みでした。
ここで強調しておきたいことがあります。私がやったのは、難しいコードを打ち込むことではありません。やったのは、「何を一番に伝えたいのか」を決め、参考にしたいデザインをいくつか読み込ませ、ふだん人と相談するのと同じように、対話を重ねていくことでした。
これは、経営のご相談に乗るときと、驚くほど似ています。相手の話に耳を傾け、問いを立て、方向を示し、出てきたものに「ここはこうしたい」と手を入れていく。私が持ち込んだのは、コードの知識ではなく、「どう見せたいか」「何を大切にしたいか」という構想のほうでした。技術は道具が引き受け、人は判断に集中する。役割が、きれいに分かれていたのです。
ロゴを変え、写真は思いきって減らし、余白と言葉で語らせる。「無料相談」へすぐにつながる導線をつくる。頭の中にあった理想が、対話のたびに形になっていきました。
■ 一番の不安だった「土台」は、守られた
そして、最も心配していたWordPressの壁も、杞憂に終わりました。これは、同じ悩みを持つ方に、ぜひお伝えしたいことです。
ホームページには、見た目には表れない「資産」があります。長年かけて積み上げてきた検索順位。一つひとつの記事に割り当てられたURL。これまで書きためてきた記事そのもの。いわゆるSEO上の蓄積です。これらは、会社にとって目に見えない信用そのものであり、デザインを一新するために手放してよいものでは、決してありません。
驚いたのは、Claude Codeが、この土台をまるごと守ったまま、表側だけを作り変えられたことです。これまでの検索順位も、記事のURLも、過去の蓄積も、そっくり残す。そのうえで、デザインと構成だけを刷新する。「積み上げてきたものを失わずに、見た目を新しくする」――以前の私が「無理だ」と思い込んでいたことが、現実になりました。構想や原稿には数週間をかけましたが、実際の制作で集中したのは、正味2〜3日。かつて同じことを人の手でやれば、構成案ひとつ仕上げるのに一週間はかかったでしょう。
■ 本当に驚いたのは、「その後」だった
ただ、私が一番心を動かされたのは、出来上がったサイトそのものではありません。「その後」に起きた変化です。
これまでのホームページは、誰かに作ってもらうものでした。だから、直したい箇所が出るたびに依頼し、待ち、また費用が発生する。ところが今は、ページを増やすのも、一文を書き換えるのも、配色を少し調整するのも、すべて自分の手でできる。
「作って、終わり」が、「育て、続けられる」に変わったのです。
これは、弊所が、お客様にお届けしようとしている価値と、まったく同じ構造でした。AIに作業を肩代わりさせて、成果物を納品して終わりにするのではない。社長ご自身が、自社の仕組みをその後も動かし続けられる状態を、ちゃんと残す。日々ご支援させていただいているお客様との取り組みでも、私たちがこだわってきたのは、まさにそこでした。社長の頭の中にある判断の勘どころを言葉にし、会社の仕組みとして手元に残す。今回のホームページ作りは、それを私自身が、私のために体験したようなものでした。
■ AIは「代行」ではなく「拡張」である
世間では、AIは「人の代わりに作業をしてくれる便利な道具」だと語られがちです。もちろん、その側面はあります。けれど今回、私が肌で感じたのは、もっと別のことでした。
AIの本当の値打ちは、「あなたにできることを、増やす」ところにある。
自分のホームページを、自分で育てられるようになった。これは、誰かが代わりにやってくれたのではありません。私自身の手が、少しだけ遠くまで届くようになった、ということです。代行ではなく、拡張。肩代わりではなく、底上げ。この違いは、経営にAIをどう迎え入れるかを考えるとき、決定的に重要だと思います。
ツールが動いて終わり、ではない。社長の手で、会社が動かせるようになる。私たちが目指しているのは、いつもそちらの景色です。
■ 灯台の光のように
商社で三十年、海外の現場でも数字と向き合ってきました。その経験から申し上げると、新しい道具が現れたとき、いちばん損をするのは「自分には関係ない」と決めてしまうことです。かつて表計算ソフトがそうだったように、AIもいずれ、誰もが当たり前に使う道具になります。その日に向けて、今から少しずつ手に馴染ませておく。それだけで、見える景色は変わります。
『社長の勘を、会社の仕組みに。』
このホームページそのものが、その小さな証しです。経営の知識と、AIの実装。その両方を一人の専門家のなかで往復させながら、御社が自らの手で前に進める状態づくりを、みなとはお手伝いしています。
もし、「うちでも何かできるだろうか」と少しでも思われたなら、まずはお気軽にご相談ください。最初の一歩を、ご一緒できれば幸いです。
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