「家族経営の中小企業で終わらせない。」那覇造園土木のアトツギ、前原さんが画面越しに、そうおっしゃいました。来週、社員の皆さんに10年事業計画を発表する、その本番前のリハーサルの日です。事業計画はAIを相棒にして「共同作成」し、前原さんがセルを1つずつ開いて計算ロジックを確認し、読み込んできました。今日は、その読み込みの成果を試す番です。
22分50秒。前原さんはパワポを読み上げるのではなく、最初から最後までご自身の言葉で説明されました。タイムマネジメントも、ぴったりです。私はそのことをお伝えしてから、こう切り出しました。ここから少しの間、私は「少々厳しい質問者」を演じます、と。
質問は次々に出していきました。なぜ会社をそこまで大きくしたいのですか。来期の目標は過去の実績から見て、現実味があるのですか。一度縮小した下請けに、なぜ戻るのですか。新社屋への投資は、本業への集中を妨げませんか。利益率まで含めて、すべての数字を公開する必要が本当にありますか。1問ごとに、前原さんは「ちょっと腹の中、整理させてください」と一呼吸置き、ひとつずつ答えていかれました。
中でも、私の手が止まったのは、最初の答えでした。沖縄の観光客数が2050年に向けて伸びていく追い風と、家族経営から脱却したいという思いを、ご自身の言葉で結び付けて語られたのです。その壁を打ち破る会社にしたい、と。下請けの問いには、譲れない利益率のラインを下回る案件は受けず、数多くの案件にあたって条件の合う先を取りに行く、と落ち着いて受け止められました。新社屋の問いには、5年先までは見えているが、その先は社会情勢を見て臨機応変、いまの構想以外もあり得る、とおっしゃいました。数字の公開については、見せることが誠実さであり、選ばれる理由になる、と続けられました。
AIと一緒に事業計画を作成する時代になっても、社員の前で答えるのは、経営者ご自身です。事前にどれだけ計画を読み込んでも、その場で投げ込まれた問いに、ご自身の言葉で答えるのは別の筋肉です。リハーサルの最後、前原さんは「もうちょっと短い言葉で伝えられたらな」と振り返られました。心の底からの言葉が出ているからこその一言だと思います。来週、社員の方々と前原さんが向き合う本番が、楽しみです。
みなと中小企業診断士事務所からのご案内
「うちでもできるかも」と思ったら、まずは30分、お話ししませんか。
本ニュースレターでご紹介している支援は、すべて初回の無料相談からスタートしています。AIの導入、数字の見える化、事業承継の準備——テーマは問いません。御社の状況をお聞かせいただければ、30分の中で「何から手をつけるべきか」の方向性をお伝えします。
初回30分無料相談のお申し込みはこちら(経営者・経営幹部・後継者の方が対象です)
まずは「経営の基礎」から学びたい方へ
「相談の前に、まず自分で経営の数字を読めるようになりたい」という方には、ストアカでオーダーメイドの個別講座をご用意しています。事前ヒアリングで御社の課題に合わせた専用テキストを作成し、90分で「知識」と「方向性」を同時にお持ち帰りいただけます。
→ 【経営幹部限定】課題に合わせ知見を調合。完全オーダーメイド経営講義
