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Vol.16|ロングテール業務のAI自動化革命~第二の脳は、作るのではなく育てる~

第二の脳を作ろうとして、過去の資料を全部整理し始める。私は、この始め方をお勧めしません。

フォルダーを完璧に分け、古い資料をすべて読み返し、知識を漏れなく書き出そうとすれば、それ自体が大きなタスクになります。完成する前に疲れてしまうでしょう。

第二の脳は、一度に作り上げるものではありません。今日の業務から、今後参照するに値する情報を選択し、少しずつ育てます。

例えば、顧客との会議が終わったら、発言をすべて保存する必要はありません。現在の状況、決まったこと、判断の理由、相手が重視したこと、次に確認することを残します。提案資料を作ったら、完成品だけでなく、なぜその構成を選んだのか、相手の反応はどうだったのかも記録します。

AIエージェントが作った成果物を修正したときも同じです。「この表現は使わない」「この数字には根拠をつける」「この顧客には結論から示す」。この修正には、自分の判断基準が表れています。次回も使う基準なら、第二の脳へ残します。

記録する単位は、必ずしも長文である必要はありません。大切なのは、後から見た自分とAIエージェントが、何が起き、なぜそう判断したのかを分かることです。

私は、顧客や案件ごとに「直近の状況」を短くまとめます。その下に、根拠となる会議記録や提案資料へのつながりを置く。新しい出来事があれば、直近の状況を書き換え、古い判断は日付付きの経緯として残します。

こうすると、人とAIエージェントが同じ記録を参照できます。私が顧客の状況を思い出したいときにも役立ち、AIエージェントへ依頼するときにも、そのまま背景情報になります。AIのためだけに、別のデータを作る必要はありません。

何を残すか迷ったら、「この情報が半年後に参照できたら、判断しやすくなるかもしれない」で考えるとよいでしょう。そう思える情報には、残す価値があります。反対に、単なる日程調整や一時的な連絡などは、保存する必要はないでしょう。

第二の脳を育てる時間を別途設ける必要はありません。AIエージェントと相談して成果物を作り、人が修正した過程から、必要な部分だけを抽出する。この循環が回り始めれば、普段の業務を進めるほど、次の業務が楽になってくるでしょう。

次回は、育った第二の脳を使い、スポット業務へAIエージェントがどう対応するのかをお話しします。


みなと中小企業診断士事務所からのご案内

御社の「小さく、多く、面倒な仕事」を、一度棚卸ししてみませんか。

月に一度だけ作る資料。取引先ごとに書式が違う書類。たまに発生する問い合わせへの対応。複数のファイルから数字を集めて作る報告書——。

一つひとつは小さくても、種類が多く、会社全体では大きな時間を使っている。けれど、従来のシステムでは採算が合わず、人の手と記憶に残されてきた。こうした仕事を、みなとでは「ロングテール業務」と呼んでいます。

AIエージェントの登場によって、この領域も自動化できるようになってきました。

みなとは、単にAIツールを紹介するのではありません。御社の業務を棚卸しし、人が判断すべき仕事とAIに任せられる仕事を分け、まずは一つの業務から小さく試します。試作、検証、運用設計を重ねながら、現場で使い続けられる仕組みを一緒に組み上げます。

目指すのは、単に仕事を速くすることではありません。AIに任せられる作業を移し、経営者や社員の時間を、顧客対応、提案、人材育成、新しい事業など、会社を前へ進める仕事へ戻すことです。

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