ある顧客から、これまでとは少し違う提案を求められたとします。同じ提案を作ったことは一度もありません。定期的な流れも、決まった手順書もありません。
以前なら、自分で過去の資料を探し、会議の記憶をたどり、白紙から構成を考えていました。第二の脳があると、最初の動きが変わります。
AIエージェントへ、今回の依頼と成果物の形を伝えます。そして、顧客の現在地、過去の会議、これまでの提案、相手の反応を調べたうえで、論点と構成案を作るように頼みます。
AIエージェントは、一般的な顧客像を想像するのではありません。この顧客が過去に何を求め、こちらが何を提案し、どこを評価し、何を見送ったのかを読んでから考えます。
初めての依頼であっても、判断材料まで初めてとは限りません。過去の案件で使った分析の見方、別の顧客で採用した資料の構成、事務所として守る表現、自分が過去に選んだ判断。第二の脳に残る複数の経験則を組み合わせれば、スクラッチから始める必要がなくなります。
もちろん、最初から完成品が出るとは限りません。私の感覚では、まず5〜6割のたたき台を作らせ、人が方向を決める使い方が現実的です。「この論点を先に」「この表現は強すぎる」「この数字の根拠を確認して」と筆を入れる。そのやり取りを重ねて、最終版へ近づけます。
ゼロから自分で作るのと、文脈を踏まえた5〜6割の案から始めるのとでは、必要な時間が大きく違います。しかも、その間に別のAIエージェントへ、会議の論点整理や社内報告の下書きを任せることもできます。
立場の高い人は、秘書や部下へ「過去の経緯も見て、まとめておいて」と頼めます。第二の脳とAIエージェントの組み合わせは、その環境を役職や組織の大きさに関係なく持てるようにします。
これが、私がAIエージェントを「AI部下」「AI秘書」あるいは「分身」と呼ぶ理由です。指示された一つの処理を繰り返すだけではありません。過去を調べ、現在の依頼と結びつけ、次の行動につながる案を用意するからです。
人は、出てきた案を評価し、相手との関係や経営上の意味を踏まえて意思決定します。AIエージェントは、探索、整理、比較、たたき台づくりを担う。この分担によって、スポット業務までロングテール業務の自動化対象に入ってきます。
そして、人が直した結果を第二の脳へ戻せば、次のスポット業務では、さらに自分に近い案から始められます。次回は、この循環が自分の分身をどう育て、なぜ人の思考まで整理するのかをお話しします。
みなと中小企業診断士事務所からのご案内
御社の「小さく、多く、面倒な仕事」を、一度棚卸ししてみませんか。
月に一度だけ作る資料。取引先ごとに書式が違う書類。たまに発生する問い合わせへの対応。複数のファイルから数字を集めて作る報告書——。
一つひとつは小さくても、種類が多く、会社全体では大きな時間を使っている。けれど、従来のシステムでは採算が合わず、人の手と記憶に残されてきた。こうした仕事を、みなとでは「ロングテール業務」と呼んでいます。
AIエージェントの登場によって、この領域も自動化できるようになってきました。
みなとは、単にAIツールを紹介するのではありません。御社の業務を棚卸しし、人が判断すべき仕事とAIに任せられる仕事を分け、まずは一つの業務から小さく試します。試作、検証、運用設計を重ねながら、現場で使い続けられる仕組みを一緒に組み上げます。
目指すのは、単に仕事を速くすることではありません。AIに任せられる作業を移し、経営者や社員の時間を、顧客対応、提案、人材育成、新しい事業など、会社を前へ進める仕事へ戻すことです。
「うちにも、AIに任せられる仕事があるかもしれない」と思ったら、まずは30分、お話ししませんか。
初回無料相談では、現在時間を取られている業務を伺いながら、次の2点を一緒に整理します。
- どの業務から自動化を試すと効果が出やすいか
- 今は自動化しなくてよい業務はどれか
AIに詳しくなくても問題ありません。経営者・経営幹部・後継者の方を対象としています。
まずは、自社の課題を整理しながら学びたい方へ
「相談する前に、経営の数字やAI活用について自分なりに整理したい」という方には、ストアカでオーダーメイドの個別講座をご用意しています。
事前ヒアリングをもとに、御社の課題に合わせた専用テキストを作成します。経営数字の読み方から、AIで見直せる業務の整理、今後取り組むべきテーマまで、90分で「知識」と「次の一歩」を一緒に明確にします。
→ 【経営幹部限定】課題に合わせ知見を調合。完全オーダーメイド経営講義
