AIと「未来の兆し」を捉える。常識を破壊するアウトサイドイン発想【AI時代の羅針盤~デザイン思考編~Vol.21】

前回は、自社の内なる声に耳を傾ける「インサイトアウト発想」によって、私たちが今取り組むべき「事業課題」をAIと共に定義する方法についてお話ししました。しかし、それだけでは既存の枠組みを超えるイノベーションは生まれません。

今回は、その「枠」を破壊し、全く新しい事業機会を発見するための「アウトサイドイン発想」、すなわち、社会の大きな変化から未来を構想するアプローチを解説します。ここで鍵となるのが、PEST分析の視点に基づき、AIを活用して「非線形な未来予測」を設定するプロセスです。この手法は、日本総合研究所が提唱する「未来洞察」のアプローチを、私なりにAI時代に合わせて解釈・実践しているものです。

未来は「スキャニング」から始まる

「アウトサイドイン発想」を実践する上で、まず行うべきがPEST分析に基づく「スキャニング」です。PEST分析とは、政治(Politics)、経済(Economics)、社会(Society)、技術(Technology)という4つの観点から、自社を取り巻く外部環境の変化を捉えるフレームワークです。そして「スキャニング」とは、これらの領域で起きている、まだ小さく、多くの人が気づいていない「未来の兆し(Weak Signals)」をメディアなどから見つけ出す活動を指します。

このスキャニング活動から得られた「兆し」を基に、私たちは未来の姿を仮説として描き出します。これが、新規事業のアイデアを飛躍させるための重要なインプットとなるのです。

AIは、世界中に散らばる「未来の兆し」の探知機

かつて、このスキャニング活動は、専門のアナリストが世界中の膨大な情報にアクセスし、膨大な時間をかけて行う高度な作業でした。しかし今、私たちはAIという強力な「探知機」を手にしています。

ChatGPTやGensparkのディープリサーチ機能などを活用し、AIというグローバルな情報網を持つリサーチャーに、PEST分析の観点から「未来の兆し」をスキャニングするよう依頼します。例えば、「働き方の未来」という大きなテーマを設定するだけで、AIは世界中のメディアから関連する微かな変化を拾い集め、私たちが次なる仮説を立てるための材料を提供してくれるのです。

「ありえない」未来を描く勇気

ここで重要なのは、誰もが予測できるような「分かりやすい未来」ではなく、あえて「ありえないかもしれないが、起こりうる」未来の仮説、すなわち「非線形な未来予測」を立てることです。

例えば、「少子高齢化が進む」というのは、もはや誰でも知っている「想定内(線形)の未来」です。しかし、「AIペットが人間の家族の役割を代替する社会が到来する」というのは、まだ確実ではない「非線形」の未来かもしれません。この「非線形な未来予測」にこそ、既存のビジネスを破壊し、全く新しい市場を創造するチャンスが眠っているのです。

さて、私たちの手元には、自社の内なる声である「事業課題」と、社会の大きな変化を示す「非線形な未来予測」という、2つの重要な要素が揃いました。

次回は、いよいよこの2つを「強制発想」で掛け合わせ、イノベーションの核となる「新たな事業アイデア」を描き出す、本シリーズのクライマックスに迫ります。

(Vol.22へ続く)


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この記事を書いた人

中小企業診断士(東京都港区)
ストアカ「世界一やさしい決算書の読み方」「世界一やさしい経営のお勉強」講師
総合商社勤務30年
新規ビジネス、海外事業に強み
ベトナム、メキシコ、米国に駐在経験
営業支援会社、EC出店会社、スタートアップへの支援実績あり
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