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Vol.3|ロングテール業務のAI自動化革命~「計上しといて」で、帳簿が動いた~

これまでのAIは、たとえるなら「答えてくれる相談相手」でした。質問を打ち込むと、文章で答えが返ってくる。その答えを人間がコピーして、メールや資料に貼り付けて使う。便利ですが、手を動かすのは最後まで人間でした。

昨年の後半あたりから急速に普及し始めたAIエージェントは、ここが違います。代表格はAnthropicのClaude Codeと、OpenAIのCodex。どちらも、パソコンの中で実際に作業するAIエージェントです。フォルダを作る、ファイルを直す、資料を仕上げる、いらないものを消す。人間がキーボードとマウスでやってきた操作を、自然言語で頼めば代わりにやってくれます。

ここで大事なのは、操作の入り口が自然言語になったことです。私はプログラムを書く代わりに、「この領収書を、過去の仕訳にならって処理して」と業務上で使う言葉そのままで伝えます。必要なプログラムは、AIエージェントが自分で書きます。非エンジニアでも、ワークフローを自動化できるようになったのは、このためです。

以前なら、こうした流れを作るには、システム会社へ高額な開発費を払い、エンジニアへ要件定義を伝える必要がありました。今は、業務を最もよく知る本人が、自分の言葉でエージェントを設計し、試し、直し、運用できます。非エンジニアが、まるで自分専属のエンジニアを持つように、自分のタスクをAIエージェントへ載せられる時代になったのです。これは「デジタルの民主化」あるいは「開発の民主化」と言われたりします。

さらに、クラウド上のサービスともつながります。たとえばfreeeやマネーフォワードのようなクラウド会計ソフトと連携させると、中のデータを読み書きできるようになります。領収書を渡して「計上しといて」と頼むと、過去の仕訳にならって記帳する。日付と区間と目的を伝えれば、旅費交通費として正しく処理する。続けて「今月の業績を分析して」と頼むと、クラウド会計の中の損益計算書を読み、分析用のダッシュボードまで作ってくれる。

私はこれを、AI利用の大きな転換点だと受け止めています。相談相手だったAIが、デジタルワーカーになった。答えをもらうツールから、業務を任せる「同僚」に変わった。この違いは、使ってみると想像以上です。

そして思い出していただきたいのは、前回のロングテール業務です。月に1度の書類作成も、たまに来る面倒な問い合わせも、要するに「パソコンの中の操作」でできています。「同僚」になったAIエージェントは、まさにこの領域の担い手です。しかも、このデジタルワーカーは1人とは限りません。次回は、同じ時間に「自分」が5人に増える話をします。


みなと中小企業診断士事務所からのご案内

御社の「小さく、多く、面倒な仕事」を、一度棚卸ししてみませんか。

月に一度だけ作る資料。取引先ごとに書式が違う書類。たまに発生する問い合わせへの対応。複数のファイルから数字を集めて作る報告書――。一つひとつは小さくても、種類が多く、会社全体では大きな時間を使っている。けれど、従来のシステムでは採算が合わず、人の手と記憶に残されてきた。こうした仕事を、みなとでは「ロングテール業務」と呼んでいます。

AIエージェントの登場によって、この領域も自動化できるようになってきました。

みなとは、単にAIツールを紹介するのではありません。御社の業務を棚卸しし、人が判断すべき仕事とAIに任せられる仕事を分け、まずは一つの業務から小さく試します。試作、検証、運用設計を重ねながら、現場で使い続けられる仕組みを一緒に組み上げます。

目指すのは、単に仕事を速くすることではありません。AIに任せられる作業を移し、経営者や社員の時間を、顧客対応、提案、人材育成、新しい事業など、会社を前へ進める仕事へ戻すことです。

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