前回、AI選定の試行錯誤の末、「Claude Opus 4.5」とVBAマクロの組み合わせによって、計算式が連動する財務モデリングExcelファイルが自動生成されるという、劇的なブレイクスルーが生まれたことをお話ししました。
この財務モデリング自動化の挑戦に関する一連の話も、今回で一区切りです。この画期的な手法がもたらした業務効率の大きな変化と、ビジネスにおける今後の可能性について詳しく見ていきましょう。
AIを使いこなすための「対話」戦略
Claude Opus 4.5に財務モデリングを生成させるための具体的な手順は、対象企業の会社名と、上場企業であればIRページのリンクをAIに読み込ませて指示を出す、というシンプルなものです。非上場企業の場合はPDF形式の財務データをAIに読み込ませて指示を出します。(ただし、非公開情報をAIに読み込ませる際は、勤務先の情報セキュリティポリシー等を遵守し、ご自身の判断で情報管理のリスクを十分に考慮してください。)
生成されたアウトプットに対して、前提条件などを調整したい場合は、AIと対話しながら「WACCの計算におけるベータ値は同業他社を参照して調整して」「成長率の仮定はもう少し保守的に」といった指示を追加することで、ヒトがゼロから手入力で作成するのと変わらない、精度の高いモデルへと仕上げていくことができます。生成されたExcelモデルでは、財務3表が完全に連動し、BSの総資産と負債・純資産の合計も必ず一致するように設計されています。
モデルの検証と、ヒトがやるべき本質的な仕事
生成されたモデルの計算式はすべてヒトが確認できるため、そのロジックが正しいかどうかを検証できます。また、DCF法で算出した企業価値と実際の時価総額に大きな乖離がある場合、成長率や割引率といった前提条件(アサンプション)を見直すことで、より実態に即した分析が可能です。この見直しは、AIに新たな前提条件を指示してVBAマクロから再生成させる方法と、出力されたExcelシート上の前提条件がまとめられたセルの数値を直接手で変更してシミュレーションする方法の、両方が可能です。
重要なのは、AIが生成したモデルはあくまでスタート地点だということです。そこから仮説を立て、検証し、分析に深みを与える。AIのおかげで、私たちはこうしたより本質的で、ヒトにしかできない業務に集中できるようになったのです。
信じられないほどの業務効率化
このAIを活用した財務モデリングの自動化は、業務効率を飛躍的に向上させました。これまで何時間も、時には何日もかけていた、複雑な連動計算やバランス調整、データ入力といった手作業から解放されたのです。
上場企業1社分のバリュエーション作成にかかる時間は、AIがコードを生成する時間を含めても5分程度。これは、もともとこの業務を担当していた者からすれば、信じられないほどの変化です。
新しい働き方と未来への展望
この手法は、YouTubeなどで検索しても見つけられなかったので、新しいやり方である可能性が高いと思います。私自身の経験でも、Claude Opus 4.5でなければ実現できませんでした。
AIは、ヒトが膨大な時間を費やしてきた作業を置き換え、より創造的で戦略的な仕事に集中できる時間をもたらします。この財務モデリングの自動化は、そのほんの一例にすぎません。そのやり方は、ご自身が考える業務効率化のアイデアをAIに問いかけ、対話を続けることで生み出されていきます。つまり、AIに相談し、同じAIに作ってもらうのです。そして、そのアウトプットをヒトが判断し、必要に応じて磨きをかけていく。これが唯一のマニュアルといえるかもしれません。
これまでの、1から10までの作業マニュアルがあってそれを遵守して何かを作るという時代は終わりつつあります。これからは、その手順さえもAIに考えてもらい、実行してもらう。ヒトは、そのアウトプットが自分の目指すものに合致するまで指示を出し続ける。これが、新しい時代の業務効率化であり、ひいてはAIの真の活用法といえるのではないでしょうか。
次回は、もう一つの大きな業務であるPowerPointでの資料作成をAIでほぼ自動化する方法についてご紹介したいと思います。
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