那覇造園土木の投資計画は、「3人」で組み立てています。アトツギの前原さんと、中小企業診断士の私と、AIのClaude。人間2人とAIが、ひとつの議論卓を囲む新しい打ち合わせの形です。その場でClaudeに数字を組ませながら、「3人」で投資計画を仕上げていきます。
今回のテーマは、ショベルカーと小型ダンプカーを追加する設備投資が、どのくらいで回収できるのかでした。売上を倍以上に伸ばして2億円へ向かう計画があり、その途上で必要になる車両です。投資評価は回収期間法で行います。投資した金額が、増えるキャッシュフローによって何年で取り戻せるかを見るやり方で、許容上限となるカットオフ期間に収まれば投資判定が立つ、という枠組みです。Claudeにその場でシミュレーションをしてもらい、即興で表が組まれていきます。
最初にClaudeが弾いた答えは、ずいぶんと早い回収でした。直感では合いません。よく見ると、既存の車両だけで届くはずの売上増まで「投資の成果」に含めており、投資の効果を過大に見積もっていたのです。
ここで私が一度立ち止まり、ロジックを並べ直しました。既存機材の稼働余力で届く売上は、投資効果から外す。途中でClaudeはカットオフ期間3年が外形的に妥当だと提案してきますが、前原さんは「ちょっとピンと来ていない」とおっしゃいます。会社の管理会計が機材を5年で価値ゼロと見るルールで動いている。そこに合わせて5年で押し戻したところ、Claudeは「鋭いご指摘です」と認めました。回収期間は、会社の許容期間の半分ほどに落ち着きます。機材の寿命は概ね15年超。回収後にも長い稼働期間が残る、現実的な数字でした。
ここで起きていたのは、AI壁打ちの典型的な構図でした。AIはこちらが強い論理で押し返すと、致命的な破綻がない限り「鋭いご指摘です」と頷きます。同調されると気持ちはいい。けれどもその同調を真に受けると、楽観的すぎる数字を握ったまま投資判断へ進むことになります。だから使い手の側に、「あなたはそう言うけれど、本当はこうすべきじゃないか」と押し戻す筋力が要ります。
それでもAIを議論から外す気にはなりません。打ち合わせに同席して壁打ちの相手になりながら、その場で計算をこなし、Excelで投資採算の表を組み直し、議事録と分析のロジックまで一つのWordレポートに整えてくる。議論しながらの2人では、ここまでの並行作業はこなせません。AIを同席させる打ち合わせの肝は、AIに任せきらないこと、そしてAIを排除しないこと。同調されても流されない側に立つほど、AIは戦力に変わっていきます。
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