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Vol.23|造園業にAIを実装する。〜答えは、心の奥底にあった〜

「造園業に常に立ち帰ってやりたい、と話を聞いていてすごく思いました」。前号でお見せした3つのMVC案(ミッション・ビジョン・コンセプト)——「ぜんぶ見せる、沖縄の造園業。」「沖縄の回復力」「意味のある仕事」——を前にしたアトツギの前原さんが、3つ目の問いにそう答えました。

3案の前に、私から3つの問いを投げていました。MVCは外から与えるものではなく、後継者の心の奥底から引き出すものだからです。誰に最も選ばれたい会社か。創業者にどんな変化を最も誇りに思って欲しいか。沖縄の造園業を名乗ることに、誇りを持てるか。1問目に、前原さんは順位をつけずに答えました。お客様も、地域も、社員も、すべて含めていきたい、と。3問目には、伐採はいまの通り道で、Amazonが最初は本だけ売っていたように、いずれ造園業全体の新しい形を作っていきたい、と続きました。

統合の方向が見えてきました。主軸を「ぜんぶ見せる、沖縄の造園業。」に置き、ミッションには「沖縄の暮らしを手入れする」、ビジョンには「沖縄の若者がいちばん誇れる造園業」を織り込む案です。ただし、これで決定ではありません。次回からは、SWOT・STP・PPM・アンゾフといった経営戦略のフレームワーク分析と突き合わせて、X発信案戦略ら紡ぎ出した今回のMVCの発案を検証し、固めていきます。

AIが整え、経営者が選び取る——その間に、5回の連載で見てきた「内側から始める」という流れがありました。経営者は、外に答えを求めなくていい。心の奥底からの言葉が、もう答えです。


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この記事を書いた人

中小企業診断士/みなと中小企業診断士事務所 代表(東京都港区)

1994年に総合商社へ入社し、食料分野で30年以上。貿易実務から海外事業経営まで、事業の数字に向き合い続けてきました。駐在はベトナム・メキシコ・アメリカ。ベトナムでは合弁事業会社の副社長として、会社設立から黒字化までを指揮しました。

2013年に中小企業診断士に登録。経営理論とAIの実装を、一人の専門家のなかで往復させる伴走支援を行っています。立派な資料の納品ではなく、現場で回る仕組みを残すことを大切にしています。東京都港区を拠点に、中小企業の経営者と後継者の事業伴走に取り組んでいます。

著書『商社マンの「実録」海外経営ノート』