那覇造園土木の前原さんと、AIを使って新規事業のアイデアを生み出すセッションを行いました。採用もSNS発信も軌道に乗り、売上倍増への道筋が見えてきた中で、「その先」をどう描くか。方法論の説明を終えた瞬間、「めちゃくちゃワクワクしてます」と返ってきました。そのワクワクの正体を、インフォグラフィックに沿って解説します。
思考の基盤:3つの原則
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせである」
ジェームス・W・ヤングが著書『アイデアのつくり方』で提唱した概念です。
iPhoneが好例でしょう。電話、タッチパネル、音楽プレイヤー——すべて既存の技術でした。それらを1つのデバイスに統合したことで、世界を変える発明になった。革新はゼロからではなく、遠く離れた既存の要素をつなぎ合わせることで生まれます。
「予測(Forecast)ではなく洞察(Foresight)」
過去のデータを延長して未来を描くフォーキャストは、一見確実に見えます。しかし、5年前にChatGPTの登場を予測できた人がどれだけいたか。フォーサイトとは、まだ誰も気づいていない「未来の可能性」を探しに行く行為です。私が昨年SXSWで参加した未来学者のセッションでも、彼らは同じくこの「Foresight」を核に据えていました。
「強制発想:内(自社)と外(未来)の衝突」
人間の脳は認知バイアスにより、無意識に安全な範囲でしか思考しません。強制発想法は、自社の事業課題とまったく無関係に見える未来のシナリオを意図的にぶつけることで、このバイアスを打ち破ります。
5つのステップ
STEP1-2:自社課題の構造化とテーマ選定:
まず自社の事業課題をAIで構造化します。経営者が漠然と抱えている問題意識を、AIが整理し言語化してくれます。次にPEST分析(政治・経済・社会・技術)の4軸から、80のテーマの中から12を選定。ポイントは自社の事業領域と「少し離れた」テーマを選ぶこと。近すぎれば今の延長線上のアイデアしか出ず、遠すぎれば非現実的になります。
STEP3-4:兆しの収集とシナリオ構築:
12のテーマに基づき、AIが世界中のメディアから「ウィークシグナル(弱い未来の兆し)」を含む記事を探してきます。以前はこの作業を人間のチームで何日もかけて行っていました。今はChatGPTのDeep ResearchとClaudeを同時に走らせ、わずか十数分で数百件のメディアを精査し、計48本の記事を収集できます。
ただしAIの出力を鵜呑みにしてはいけません。存在しない記事を捏造することもある。48本から24本への絞り込みは人間の目と感性で行います。セレクトショップのバイヤーのように、未来の種を見抜く審美眼が求められるフェーズです。選び抜いた記事同士を掛け合わせ、10年先の未来シナリオを3本描きます。
STEP5:強制結合によるアイデア創出:
3つの自社課題×3つの未来シナリオ。この掛け合わせから9つの事業アイデアの原型が生まれます。AI単体では60〜70点が限界ですが、ここからが「磨き」のフェーズ。非現実的なら現実との接点を探り、当たり前すぎるなら逆転の発想を持ち込む。時には「ソクラテスならどう評価するか」とAIに問い、業界バイアスを偉人の視座で揺さぶることもできます。
なぜ中小企業にこそ必要なのか?
大企業には専門チームと予算があります。しかし中小企業の経営者は日々の現場を回しながら「次の一手」を考えなければなりません。前原さんも、売上倍増の見通しは立った。でも「その先」を考えたとき、今の延長線上に答えはない。
この方法論は、AIを「思考の拡張装置」として活用することで、経営者が1人でも体系的に新規事業のアイデアを生み出せるようにしたものです。「聞き方」と「方法論」次第で、AIは事業構想のパートナーになり得ます。
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