海外事業の教科書 〜製造業のグローバル合弁事業はこうすれば成功する!〜

海外事業の教科書 〜製造業のグローバル合弁事業はこうすれば成功する!〜 海外事業の教科書

2012年に中小企業診断士試験に合格し、経営に関するナレッジを満タンにして海外で合弁事業の立ち上げと事業経営に従事しました。それまでの商社マンとしての経験値に基づく直感的な判断(右脳系)と、診断士試験を通じて獲得した経営知識という論理的思考に基づく引き出し(左脳系)を融合させて事業をマネージメントする自分のスタイルを確立してきました。その時の経験を基に、様々なテーマで経営について深掘りしていきたいと思います。

このブログでは、深掘りテーマの第一弾として、中小製造業が合弁事業を通じて初めて海外進出することを前提としたストーリーを展開していきます。

筆者の経験に即しながら、経営者のための海外進出検討の情報源として、実務担当者向けのマニュアルとして、経営について具体例を通じて学びたい方のために、まったくのゼロから海外で事業を立ち上げるにはどうしたらよいのか、一つ一つ紐解いていきますので、最後までお付き合い頂けると幸いです。

【目次】

Ⅰ 事業開発フェーズ

1.  新規事業の開発手法(1)~ 合弁事業 ~
2.  どういう新規ビジネスが合弁事業に適しているのか?
3.  新規事業の開発手法(2)~リーンスタートアップ~
4.  FS(事業性調査)は新規事業の成功確度を上げるためのステップ
5.  事業パートナーをどうやって探すのか?(1)
6.  事業パートナーをどうやって探すのか?(2)
7.  MOU(Memorandum of Understanding)について
8.  合弁契約書は事業の要
9.  合弁契約交渉が事業の趨勢を決める

Ⅱ 事業立ち上げフェーズ

10.  会社設立手続が事業立ち上げの最初のステップ
11.  設立した会社を会社たらしめるのはヒト
12.  工場を建設する
13.  プレマーケティング(先行販売)前編
14.  プレマーケティング(先行販売)中編
15.  プレマーケティング(先行販売)後編
16.  プレマーケティングから工場稼働に移行する際の留意点
17.  稼働率を上げる (1) ~固定費~
18.  稼働率を上げる (2) ~限界利益と変動費~
19.  稼働率を上げる (3) ~操業停止点と一つ目の踊り場~
20.  稼働率を上げる (4) ~損益分岐点と二つ目の踊り場~
21.  稼働率を上げる (5) ~プロダクトミックスの判断について~
22.  組織を動かす(1)~組織設計~
23.  組織を動かす(2)~販売計画の基本~
24.  組織を動かす(3)~販売計画と管理会計~
25.  組織を動かす(4)~生産計画と購買計画~
26.  海外事業における採用活動
27.  海外事業における人材育成

Ⅲ 事業経営フェーズ

28.  競合の攻勢
29.  商品戦略の再構築(新商品開発戦略)前編
30.  商品戦略の再構築(新商品開発戦略)後編
31.  輸出市場の開拓(新市場開拓戦略)
32.  海外事業における与信管理 前編
33.  海外事業における与信管理 後編
34.  サプライチェーンマネージメント(1)~個別最適に陥るわな~
35.  サプライチェーンマネージメント(2)~保管スペースが足りない!~
36.  サプライチェーンマネージメント(3)~かんばん方式~
37.  サプライチェーンマネージメント(4)~販売予測の精度を上げる~
38.  サプライチェーンマネージメント(5)~問題発生のメカニズムと課題解決方法~

39.  海外事業の教科書~エピローグ~

海外事業の教科書

海外事業の教科書~エピローグ~

確立されている経営理論をどのようにして現場に落とし込み、効果を上げていくかという観点で深掘りしてきました。先人たちのBest Practiceは応用が必要だが現場で役に立つということを、多くの経営者、経営幹部、これから目指す方々に肌で感じて頂ければ幸いです。
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サプライチェーンマネージメント(5)~問題発生のメカニズムと解決方法~

営業・生産・調達におけるサプライチェーンマネージメントについて、事例に基づいて説明してきましたが、まとめに入りたいと思います。各部署の成熟度が高まってくると、全体最適から個別最適に陥りやすくなるメカニズムや、その解決方法と効果について整理します。
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サプライチェーンマネージメント(4)~販売予測の精度を上げる~

販売計画の見直しに基づく生産計画とし、さらに、その生産計画に基づいて調達計画も見直していたら、実質的に、川下から川上に遡る「かんばん方式」が機能することになりますが、販売予測は調達のリードタイムに合わせて作成するなど一捻り必要となります。
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サプライチェーンマネージメント(3)~かんばん方式~

必要なものを必要なときに必要な量だけ作ることをジャストインタイム、それを実現する仕組みのことをかんばん方式と言います。販売に応じて生産、原料調達に遡りますが、調達のリードタイムが長い場合はどのように対処したら良いのでしょうか?
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サプライチェーンマネージメント(2)~保管スペースが足りない!~

製造部からの依頼を受け調達計画の修正に入ったものの、原料輸入のリードタイムが3~4か月後であれば、期近の修正は効かないことになります。問題が顕在化する前に対応しておかなければ、保管スペースが足りなくなる事態に陥ります。解決策はあるのでしょうか?
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サプライチェーンマネージメント(1)~個別最適に陥るわな~

販売計画を引き継ぎ生産計画・調達計画に落とし込む一連のプロセスは、各部署の成熟度が高まってくると、全体最適から個別最適に陥りやすくなるので、日常的に部署間の連携・調整を図っていく必要がありますが、これをサプライチェーンマネージメントと言います。
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海外事業における与信管理 後編

与信を判断したら、取引量は少しずつ、サイトはできる限り短くして取引を開始します。支払遅延が起きたら、雪だるま式に債権が増大することを防ぐため、直ちに対処します。営業担当には「売ってお終いではなく債権回収するまでが仕事」であることを日々説いていきましょう。
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海外事業における与信管理 前編

日本からの輸出では、相手国の輸入者が貿易に慣れていれば、L/Cのような債権保全策が打てるでしょう。しかしながら、進出先の国内市場では、L/Cのような万国共通的な手段が実質的にないのが現実です。それでは、どのようにして対処すればよいのでしょうか?
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輸出市場の開拓(新市場開拓戦略)

競合の攻勢に対するもう一つの対応策として「新市場開拓戦略」について説明します。競争が激化し始める前くらいから、輸出の強化を図り事業を多様化させていきます。リードタイムが国内市場以上に必要となりますので、それを許容してくれる海外顧客を見つける必要があります。
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商品戦略の再構築(新製品開発戦略)後編

自社製品で欠落している商品群はないか、補強する点はないかを議論した上で、顧客ヒアリングを通じニーズ分析を行います。製品コンセプトを明確にした上でプロトタイプを作成し、顧客に評価してもらい改良を重ねます。新商品の名称を決め上市のスケジュールを策定しましょう。