「ロウソクって、大昔は何のために売られてたんですかね」。MVC策定に入った直後に、私からアトツギの前原さんに1つの問いを投げました。「明かりを灯すため」と前原さん。そうですよね。では、いまもロウソクが売られているのはなぜか——前原さんは少し考えてから、「お洒落というか、景観を作るような、そういうものかな」と答えました。
そう。ロウソクの機能は同じでも、人が買う「意味」が変わったのです。これがイタリアの経営学者ロベルト・ベルガンティが著書『突破するデザイン』で説いた、意味のイノベーション。機能(How)ではなく、なぜそれが必要か(Why)を、経営者自身の内側から問い直す——そういうアプローチで、私自身もデザイン経営の骨格に据えてきました。前号でご紹介した細田高広氏が「3つの言葉にどう編むか」を示すなら、ベルガンティは「内から外へのイノベーション」を説きます。問いも答えも、まず経営者自身の内側から立ち上がる──前号で見つけた3つの哲学も、まさにそこから引き出されたものです。
ベルガンティはこう続けます。「モノゴトや世界をがらりと変える急進的なイノベーションは、ユーザーから生まれるものではない」と。便利な伐採業者を求めるお客様は、暮らしを手入れする家業を想像することは難しいのです。
中小企業の経営者がブランドの方向性を決めようとすると、多くはアンケートや市場調査に答えを求めます。けれどMVCの素材は、経営者自身の心の奥底にある世界観、違和感、信念にしかありません。
AIにできるのは、内側にあるものを外に取り出すお手伝い。いわば内なる声の翻訳家です。次回はいよいよ、Claudeに3つのMVC案を編んでもらいます。機能ではなく、意味を問うところから始まります。
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